距離の不確かさ距離の不確かさ ひょっとしたら、 僕はもう冷静でないのかも知れない 距離の不確かさが堪らないのだ 彼女の一点を凝視していた時 自分の眼が 一体何を見ていたのか 見ていた真にその時以外に それを確かにできないのだ 確かにするために 記憶に頼ろうとするが 或る部分が鮮明になると 他の部分が俄かにぼけてくる 結局全体としては まるで輪郭のない無生物だ ああ もうこの距離の不確かさが堪らない 僕は指でその距離をはかろうとするが その距離そのものが 僕のその試みに対して 曖昧な困惑の中に 封殺してしまうのだ 僕の心は、その分子量が まるで空気のそれと同じ様に この不確かな距離で揺れている ジャンル別一覧
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